幼なじみと恋物語
沈んでる俺とは正反対に、文化祭当日の教室、というより学校は騒がしい
あっちこっち生徒と先生が走り回ってる
「慧人ーっ!」
甘ったるい声を廊下中に響かせて俺に抱きついたのは、付き合って2週間くらい経つ先輩
上目遣いでいつも俺を見てる、正直キライなタイプ
「わたしのクラス、来てよね?場所わかるでしょ?」
「あぁ」
先輩の声には、姿には見向きもしなかった
賑わう教室に、違和感を覚えたから
なにかが足りない
なんだろう
何度も教室を見回すけど、わからない
「慧人、聞いてる?」
「あ?あぁ……」
「ちょっと、邪魔」