幼なじみと恋物語




俺の声を遮って、すでに着替えた野水が割って入った




「悪い」




そう言って退くけれど、野水の視線は俺に張り付いたまま




「……なんだよ」


「別に?朝から彼女とイチャイチャいいなぁ、って」




野水は俺の横を通り過ぎるとき、あからさま嫌味を言った




「……っ!」




“好きで付き合ってるんじゃない”




言い返そうとして、気付いた



野水が“1人”ということに




「野水、……お前、晴は?」


「なんで気にすんの」


「だって居ねーから」


「“他人”なんでしょ?」




振り返った野水は、冷たい目をしてた









< 113 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop