幼なじみと恋物語
俺に対しての怒りが見て取れるほど、冷たかった
「“他人”にしたのはアンタなのに、なにを今更気にするの?」
「そりゃ、……クラスメートが来てなかったら、気になる」
「なにそれ。言い訳じゃない」
「そんなんじゃ……」
「はっきり言いなさいよ。なんで晴が居ないことを気にするのか」
野水は腕を組んで仁王立ち
俺をにらんで、“全部知ってる”って顔をしてる
俺は口を開こうとして、やめた
ここ、入り口だ
「ここじゃ言えねぇ」
「なら屋上にしましょ」
「えっ?慧人!」
ギュッと腕にしがみついた先輩を振り払って、俺は野水について屋上に上がった