幼なじみと恋物語

『それに、夜お父さんがいないときが多いとか。本当になにがあったの？まさかとは思うけど……、晴、あなた暴力を受けてるの……？』


「……っ」


『本当、なのね』




沈黙を肯定ととったのか、お母さんは電話先で悲しげな声を落とした




『ねぇ晴』


「……なに？」


『お母さんね、来月にはそっち帰れそうなの』


「本当に？」


『えぇ、だからね。今の家を出て、２人で静かに暮らさない？』




お母さんが、わたしのことを考えてくれた言葉



嬉しいはずなのに、わたしは喜べなかった



だって今の家を出たら、ケイと離れることになるから