幼なじみと恋物語
『まだ時間はあるから、ゆっくり考えて』
そう言って、電話は切れた
同時に、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響く
「晴?どうした?」
「……たし……」
「?」
「わ、たし……っ」
泣いてしまった
お母さんと住むということになると、引っ越して、転校しなければならないから
真梨とも離れなくちゃいけないから
急に泣き出したわたしを、真梨は黙って抱きしめて、頭を撫でてくれた
「……落ち着いた?」
たっぷり数十分泣いたあと、真梨が声をかけた
わたしは言葉を返す替わりに頷く