彼氏がいるのにアイドルと

「彼氏いるわりに、寂しそうな顔 してる」

レンは言い、私の唇に指をなぞらせる。

「別に、寂しくな いよっ」

強く反論したけど、ウソ。遠くに住む彼氏とはマンネリ気味で、あまりうまくいってない。遠恋中なのに、久しぶりに会っても会話が弾まず、ぎこちない空気になる。


レンと初めてしゃべった日、すごく楽しくて、同時に、私の心は渇いてたんだと気付いた。


レンは、私にプライベートのアド レスを教えてくれた。

そんなことあるわけないと思いながら、彼に好意を持たれていることには薄々気付いていた。

でも、私はすんなり踏み込めなかった。

レンは芸能人。人気アイドル。

常にマスコミに追いかけられてるような人だ。こうして二人きりで楽屋にいるのも、本当はかなり危険なこと。

ただでさえ、アイドルはガセネタで スキャンダルにされたりする。

私なんかと……。一般人との恋愛がマスコミに知れたら、レンには迷惑をかけてしまう。

レンは、世間が注目している人気イケメンアイドル。

本当なら、こうやって直接会話することもできないはずの相手。

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