ダブルスウィッチ
だったら、一度くらい抱かれてみたいと彩子は思う。


以前自分が抱かれたときのような、おざなりなセックスじゃない、きちんと愛されてると実感できるような、そんなセックス。


えみりがあれだけ執着するのだ。


きっと彩子にはしたことのない触れ方をするに違いない。


そう思っただけで、彩子は自分がはしたなくも潤っていくのがわかった。


腕時計に目をやると、ちょうど8時を過ぎたところだ。


そろそろ亮介が現れるかもしれない。


昨日の夜、顔を見たばかりなのに、なんだか久しぶりに会うような気が彩子はしていた。


ダブルベッドに腰掛けながら、彩子は今日一日を振り返ってみる。


久しぶりの仕事は、思った以上に楽しかった。


えみりの仕事は営業事務で、綺麗なオフィスに拘束される時間は八時間だ。


昼休みは12時から1時までの1時間。


そう、無言電話の時間とぴったり当てはまる。


社員食堂へは、同じくらいの年齢の同じ派遣の女の子が、彩子を誘ってくれた。


えみりとはまったく真逆の、小さくて可愛らしいタイプ。


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