ダブルスウィッチ
彩子が何とも言えない快感に酔いしれていると、亮介が意地悪く耳に唇を寄せてくる。


「フッ……もう我慢できないって顔だな?

まだお預けだよ?シャワー浴びておいで?えみり……」


耳たぶを甘噛みされながら、そう囁かれて彩子は腰がカクンと落ちてしまう。


亮介がしっかりとその腰を支えながら、一緒に立ち上がらせた。


「相変わらずいやらしいな?えみりは」


ニヤリと嬉しそうに口の端を上げる亮介に抱き抱えられるように、彩子は浴室へと連れていかれる。


いまだ火照ったままの体を彩子がもて余していると、亮介はスルリとワンピースを脱がしはじめた。


彩子は咄嗟に自分の胸をかき合わせ、亮介の胸をやんわりと押し返す。


「あ……あの、自分で……出来ます……から」


遠慮がちに彩子がそう言うと、亮介は不思議そうに首を傾げる。


「なんだか、今日はいつものえみりじゃないみたいだな?

出会ったばかりの頃を思い出したよ」


クスクスと笑いながら、じゃあベッドで待ってるからと、亮介は浴室から出ていった。


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