ダブルスウィッチ
思い悩んだ末、彩子は亮介に抱かれることを選んだ。


細く長く息を吐いてから瞑っていた目をゆっくりと開き、決心したようにザバッと湯船から上がる。


水滴を弾く肌を見つめながら、彩子はえみりに負けたような気がして唇をきつく噛みしめた。


バスローブを羽織りバスルームから出てくると、亮介はソファーに足を組んで座りながら携帯を見つめていた。


そっと近づくと彩子に気づいた亮介が、ハッとしたように顔を上げる。


「どうしたの?なんか難しい顔……してたけど……」


眉間にシワを寄せて睨み付けるように見ていた携帯。


誰かからのメールだろうか?


まさか……えみりから?


そんな不安を打ち消すように、彩子は亮介にそう尋ねた。


「いや、なんでもない……

ほら、おいで?えみり……」


誤魔化すようにそう言いながら、亮介はえみりの体を引き寄せる。


自分の膝に彩子を後ろ向きに座らせると、長い髪を避けてうなじに優しく唇を触れさせた。


ピクッと彩子が思わず反応してしまうと、そのまま亮介の右手がバスローブの胸元に差し入れられた。


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