ダブルスウィッチ
滑る指はゆっくりと撫でるように乳房をまさぐる。


後ろから耳や首筋を食むように亮介の唇が触れてきて、彩子はゾクゾクする感覚を止められなかった。


胸元に差し入れられた亮介の指はいまだ尖端には触れていないというのに、彩子ははしたなくも膝を擦りあわせ吐息を漏らす。


えみりの体が感じやすいからなのか、亮介の触れ方がいつもと違うからなのかはわからない。


彩子はさっきまで自分が感じていた嫉妬心などどうでもよくなるくらい、亮介の愛撫に翻弄されていた。


いつの間にか彩子のバスローブは前が全てはだけており、亮介の指や手のひらが脇腹や腹を撫でている。


両足は彼の膝でこじ開けられ、ソファーに座ったままの淫らな自分の姿に彩子は羞恥と快感でいっぱいになっていた。


もっと触れてほしい……と彩子は思う。


亮介はやわやわと一番感じる部分を避けながらわざと焦らすのだ。


胸の尖端にもショーツの中にも触れようとせず、その周辺ばかりを執拗に撫でている。


「……えみり?いつもみたいにおねだりしてごらん?」


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