ダブルスウィッチ
店を出て、駅へと向かう。
じめじめとした外気が、べっとりとえみりの体にまとわりついた。
帰るといってもあの大きな一軒家に帰ろうとはえみりは到底思えなかった。
かといって、自分の部屋には帰れない。
しばらく考えて、とりあえず自宅の駅に目標を定めた。
あそこで待てば、彩子は必ず帰ってくる。
亮介に抱かれて、それでも一緒に家に帰ることは許されない焦燥感を味わいながら。
いつもえみりが感じていたそれを、今日彩子も感じるに違いない。
自宅の駅に着いたのは、2時半を少し回ったところだった。
えみりが亮介と会った日に帰宅するのは、だいたい11時過ぎだったから、彩子もそのくらいになるだろう。
それまで駅の近くのファミレスで時間を潰すことにして、えみりはそこに腰を落ち着けた。
朝から何も食べてなかったことに気づいて、ランチを頼む。
若鶏の甘酢あんかけが運ばれてきて、添えてあるサラダを見たとき、朝の光景を思い出した。
亮介の冷たい態度と冷たい目。
あんな風に彩子は毎日を過ごしていたんだろうか?とえみりは思う。
じめじめとした外気が、べっとりとえみりの体にまとわりついた。
帰るといってもあの大きな一軒家に帰ろうとはえみりは到底思えなかった。
かといって、自分の部屋には帰れない。
しばらく考えて、とりあえず自宅の駅に目標を定めた。
あそこで待てば、彩子は必ず帰ってくる。
亮介に抱かれて、それでも一緒に家に帰ることは許されない焦燥感を味わいながら。
いつもえみりが感じていたそれを、今日彩子も感じるに違いない。
自宅の駅に着いたのは、2時半を少し回ったところだった。
えみりが亮介と会った日に帰宅するのは、だいたい11時過ぎだったから、彩子もそのくらいになるだろう。
それまで駅の近くのファミレスで時間を潰すことにして、えみりはそこに腰を落ち着けた。
朝から何も食べてなかったことに気づいて、ランチを頼む。
若鶏の甘酢あんかけが運ばれてきて、添えてあるサラダを見たとき、朝の光景を思い出した。
亮介の冷たい態度と冷たい目。
あんな風に彩子は毎日を過ごしていたんだろうか?とえみりは思う。