ダブルスウィッチ
よく考えてみれば、まだ正味二日しか経っていない。
それなのにやけに長い間、自分の体から離れている気がしていた。
「あの薬、持ってるわよね?」
確かめるように、あの日のバッグに目をやると、えみりは横に置いてあったそれを膝の上に乗せてファスナーを開けた。
「あの日のままですから、たぶん入ってると思います」
そう言いながらバッグの中に手をいれて、あのクリーム色をしたカプセルの入った袋を取り出した。
彩子もまた自分がえみりに渡したはずのカプセルを鞄から取り出す。
お互いに顔を見合せ小さく頷くと同じタイミングでカプセルを口に入れた。
水で流し込んでグラスをテーブルに置きながら、彩子は小さく息を吐いた。
「この間と同じなら、明日の朝には元に戻ってるってことですよね?」
えみりにそう言われて、彩子はハッとする。
えみりらしいフォリフォリの腕時計に目を落とすと、すでに7時を回っていた。
「亮介さんに、今夜9時に会うことになってるんだけど……
明日に延期してもらうわ」
それなのにやけに長い間、自分の体から離れている気がしていた。
「あの薬、持ってるわよね?」
確かめるように、あの日のバッグに目をやると、えみりは横に置いてあったそれを膝の上に乗せてファスナーを開けた。
「あの日のままですから、たぶん入ってると思います」
そう言いながらバッグの中に手をいれて、あのクリーム色をしたカプセルの入った袋を取り出した。
彩子もまた自分がえみりに渡したはずのカプセルを鞄から取り出す。
お互いに顔を見合せ小さく頷くと同じタイミングでカプセルを口に入れた。
水で流し込んでグラスをテーブルに置きながら、彩子は小さく息を吐いた。
「この間と同じなら、明日の朝には元に戻ってるってことですよね?」
えみりにそう言われて、彩子はハッとする。
えみりらしいフォリフォリの腕時計に目を落とすと、すでに7時を回っていた。
「亮介さんに、今夜9時に会うことになってるんだけど……
明日に延期してもらうわ」