ダブルスウィッチ
だるい体をソファに横たわらせ、彩子はチラリとお気に入りの掛け時計を見た。

まだ時間はたっぷりある。

少しだけ眠ってもいいだろうか?

夕飯の支度までに起きれば、問題ないはずだ。

亮介は今朝、そんなに遅くならないと言っていた。

リクエストには中華がいいと言ってたっけ……

献立はなんにしよう?

亮介は何が好きだった?

頭の中でレパートリーをあれこれ考えながらも、彩子の目蓋は閉じていく。

とろとろと現実と夢の狭間を行き来しながら、夕飯の献立は決まらないまま彩子の意識はプツリと切れた。


















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