ダブルスウィッチ
専業主婦というものは、こういうとき嫌になる。
外に働きに出ていれば、この時間は職場の仲間とランチタイムで楽しくお喋りしているかもしれないのに。
けれど家にいれば、毎日かかってくるこの電話の存在がわかっていても、甘んじて受け止めなければならない。
放っておいて居留守でも使えばいいのだが、彩子にはそれが出来ない理由があった。
三ヶ月前――
まだ無言電話がかかってくる前の話だ。
彩子は夫の亮介が浮気しているのを知ってしまった。
クリスマスのプレゼントに珍しく小さいながらもダイヤの入ったネックレスをプレゼントされたのがきっかけだった。
今まで誕生日や結婚記念日でさえ、プレゼントなどされたことがないのに、どうして?と思ったのが始まりだ。
亮介の小遣いは彼の給料の中から彩子が渡している。
10万円という金額は、結婚して10年、一度も変わっていない。
付き合いの多い彼が、それでも足りないと言ってくる金額だ。
ネックレスを買うお金があったら、誰かと飲みに行く。
亮介はそういう男だった。
「嬉しいけど……お金……どうしたの?」
外に働きに出ていれば、この時間は職場の仲間とランチタイムで楽しくお喋りしているかもしれないのに。
けれど家にいれば、毎日かかってくるこの電話の存在がわかっていても、甘んじて受け止めなければならない。
放っておいて居留守でも使えばいいのだが、彩子にはそれが出来ない理由があった。
三ヶ月前――
まだ無言電話がかかってくる前の話だ。
彩子は夫の亮介が浮気しているのを知ってしまった。
クリスマスのプレゼントに珍しく小さいながらもダイヤの入ったネックレスをプレゼントされたのがきっかけだった。
今まで誕生日や結婚記念日でさえ、プレゼントなどされたことがないのに、どうして?と思ったのが始まりだ。
亮介の小遣いは彼の給料の中から彩子が渡している。
10万円という金額は、結婚して10年、一度も変わっていない。
付き合いの多い彼が、それでも足りないと言ってくる金額だ。
ネックレスを買うお金があったら、誰かと飲みに行く。
亮介はそういう男だった。
「嬉しいけど……お金……どうしたの?」