ダブルスウィッチ
彼の愛撫を自分以外の誰かがされてるんだと思うだけで、心がざわついた。


本当ならそう思うのは奥さんの方で、えみりがそう思うのはお門違いなのだけれど、それでも嫉妬する気持ちは消えない。


巻き付けたシーツをそっと外してみる。


さっきつけられたばかりの赤い痕が、胸の辺りにあるのが見えた。


それだけのことなのに、ジワリとまた潤うのを感じた。


もう歳だから……と口癖のように言う彼は、なかなか挿入しない。


指で舌でえみりを何度もイカせてから、最後の最後に自身を埋める。


そんなセックスは初めてで、えみりを虜にするのに時間はかからなかった。


同じ年頃の男の子たちはみんな自分がイクことしか考えてなかったし、それほど濡れていないのに突き立ててくることは当たり前だったから、えみりはイッたことがない。


だから、イクということを教えてくれたのは亮介が初めてだったのだ。


不感症なのかもしれないと思っていただけに、彼のセックスはえみりを変えた。


それまではしたいと思わなかったのに、彼と出逢ってからはそればかり考えてる。


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