ダブルスウィッチ
締まり具合だって、それほど経験もないから、まだまだいい方なんじゃないかと思っていた。


足を揃えて座っていた体を、ソファーの背もたれにそっと預けてみる。


おずおずとショーツに手を伸ばすと、少しだけ足を開いた。


ゆっくりとそこに触れ、人差し指と中指を少しだけ動かしてみる。


3年も触れられていないそこは閉じたままで、広げてみると快感が走った。


「……ん」


だんだんと水音が増していき、ゆっくりと中指を沈めてみる。


ズルズルと呑み込まれた指を、中がキュッと締め付けた。


足に力が込められる。


「は……んんっ」


ビクビクと体が震え、そのままグッタリと弛緩した。


息を上げながら指を引き抜く。


途端に背徳感が襲ってきて、自己嫌悪に陥った。


だけど……と彩子は思う。


まだまだ私だってすてたものじゃないはずだ。


濡れた指先を見つめながら、しっかりと締め付けていたことを実感する。


亮介に抱かれたいと強く思った。


彼女を抱くように私にも触れてほしい。


< 72 / 273 >

この作品をシェア

pagetop