ダブルスウィッチ
「満足してないからこそ、そういうことで埋めてたんじゃないの?」
「……」
えみりは何も答えなかった。
認めるのが怖いのか、もしくは認めているから黙っているのか、それは彩子にもわからない。
「もし、私とあなたが入れ替われるかもしれないとしたら……」
「……え?」
「あなたなら……どうする?」
えみりは彩子の顔をまじまじと見つめた。
何をいってるのかわからないといった表情で……
「これなんだけど……」
彩子はバッグからおもむろにカプセルの入った袋を取り出す。
他の客から見えないように、そっと手のひらの中に隠しながら。
「二人が同じ時間にこれを飲んで、入れ替わりたいと真剣に望めば、そうなるって……書いてあります」
自分でも何を言ってるんだ?と思いながら、彩子はジッとえみりの目の奥を覗きこんだ。
えみりは信じられないといった表情で、彩子を呆然と見返す。
「……それ、本気で言ってるんですか?」
「本気で言ってます」
「なんの薬かもわからないそれを……私に飲めと?」
逆の立場なら、彩子もそう思ったに違いない。
「……」
えみりは何も答えなかった。
認めるのが怖いのか、もしくは認めているから黙っているのか、それは彩子にもわからない。
「もし、私とあなたが入れ替われるかもしれないとしたら……」
「……え?」
「あなたなら……どうする?」
えみりは彩子の顔をまじまじと見つめた。
何をいってるのかわからないといった表情で……
「これなんだけど……」
彩子はバッグからおもむろにカプセルの入った袋を取り出す。
他の客から見えないように、そっと手のひらの中に隠しながら。
「二人が同じ時間にこれを飲んで、入れ替わりたいと真剣に望めば、そうなるって……書いてあります」
自分でも何を言ってるんだ?と思いながら、彩子はジッとえみりの目の奥を覗きこんだ。
えみりは信じられないといった表情で、彩子を呆然と見返す。
「……それ、本気で言ってるんですか?」
「本気で言ってます」
「なんの薬かもわからないそれを……私に飲めと?」
逆の立場なら、彩子もそう思ったに違いない。