好きって、言いたかった。
「別に無理には言わなくてもいいよ」



私の気持ちを察したのだろうか。




少なくとも、

悪い気にはなっていないみたい。




ここでホッとしてしまう自分も嫌い。


悪いのは私なのに。






「自分責めるなよ。

言いたいときに言ってくれ」



言いたいときに言ってくれ。


それって、私の気持ち分かっているんでしょ?




凄いな、辻本君は。


好きな人の気持ちまで分かっちゃう。





私には到底できっこないよ。




だから私は変わりに想うの。


言えない分、想うの。




だって、そうすれば


届いたときに嬉しさが跳ね上がるじゃない。
< 40 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop