俺様王子と秘密の契約〜幼なじみは婚約者?!〜
「……優芽、いつまでベッドの上にいんの?襲われたいわけ?」
「え?あっな、違っ!!」
「つーか、急がねーと遅れんぞ」
顔を洗ってきた千隼くんがシャツに腕をとおしす。
「えっ!?ってちょ、ちょッ」
「んだよ」
「めめ、めっ目の前で着替えないでよぉぉっ!!」
着替えていた千隼くんが手を止める。
シャツのボタンは全開で程よく鍛えられた腹筋がなんと言うか……エロいですッ!!
「は?何だよ、今さら。子供の頃に一緒に風呂入った仲だろ」
「どうゆう仲!?こ、子供の頃は関係ないでしょーっ!!」
「…エロい目でこっち見てる奴に言われても説得力ないんだけど」
「んなッ?!エロい目でなんか、みみみ見てないもんッ」
逃げるように部屋を飛びだし、千隼くんの荷物も持って玄関に走る。
たく、もー…。
千隼くんはちっともわかってないよ〜!!
鳴り止まない心臓を落ち着つかせようと深呼吸をするけど、なかなかおさまってはくれない。
「…はぁ…」
心臓使いすぎて5年くらい寿命縮んじゃったよ、これ!
千隼くんせいだッ!!
これで私が早く死んだら恨んでやるんだから!バカぁ!!
「おい」
「は、はい?!」
「何焦ってんだよ。ん。ネクタイ」
いや、焦るよ……
バカって声に出てたのかと思った……。
「あ、もしかしてさっきの思い出してたんだろ?お前って欲求不満なんだな。可哀想に」
「んなッ?!なんでそうなるの!?それに、思い出してないから!」
「はいはい」
「……信じてないでしょ…」
「お前ってほんと説得力0だよな」
「…そんなことないっ……はず!」
俺様なのも昔から。
小学生の時はランドセル持たされ、中学生の時は鞄持たされてたっけ?
断ればいいものを断れない私も私だけど……。
別に千隼くんが怖いからとかそうゆうんじゃない。
そうゆうのじゃないんだけど……
「何ボーッとしてんだよ。ネクタイまだかよ」
「いい加減、自分で結ぶ練習したらいいのに…」
「俺に指図すんの?」
「ま、まさかぁ!冗談っ!……よし、いいよ」
この気持ちを何と言えばいいのかも正直よくわからない。
幼なじみだから?
うーん…なんか違う気もするけど…まぁいいよね!
考えてもわかんないもん!
ただ、千隼くんに口で勝てる気は全くしないのは確か!