俺様王子と秘密の契約〜幼なじみは婚約者?!〜
「でも確かに始業式はめんどくさいよねー」
「校長の長い話がなかったらいいんだけどなぁー」
「だね」
梨花ちゃんと2人で校舎にはいると中は人で大混雑していた。
何この人だかり…。
「人すごいねー…酔いそう」
「あーそういえば今日クラス替えだったね」
「言われてみればそうだったかも。でも…この人だかりじゃ見れないよー!!」
「優芽はちっちゃいからねー」
「梨花ちゃん!それは言わない約束でしょ!」
「あたしそんな約束してないし」
「でた!梨花ちゃんのツンデレっ」
「誰がツンデレよ!」
そんなことを話ながら頑張って背伸びするけれど、クラス表は全く見えない。
「むー…見えない!」
自分で見るのは諦めて梨花ちゃんが見てくれるのを隣で待つ。
いいなー…身長高いなんて羨ましすぎる。
しかも足長いし!細いし!
そのスタイルちょっと分けてくれたらいいのに!
「あ、あったよ。って何怒ってるの?」
「……梨花ちゃんの長くて細い脚見てたら泣けてきた」
「やだ、セクハラ?クラス一緒だったよ。B組」
「セクハラってひどぃ…クラス一緒ってほんと?!」
「ほんとほんと!今年のクラスって卒業までだから変わらないから2年間一緒だね。あと、ついでにねー」
と梨花ちゃんは廊下に出来た女子の大群を指差す。
「王子も同じクラス。達哉もね!」
「えぇッ?!」
「よかったじゃない!卒業まで王子と一緒よ!」
「よかったって…っ」
ぽんぽんと私の肩を叩くと、梨花ちゃんは女子の大群をすり抜けて先に教室に入っていってしまった。
うそでしょーっ!!?
千隼くんと同じクラス…静かに過ごす、なんて夢のまた夢ですよね。
毎日からかわれて……からかわれて、からかわれて………
これは悪夢ですか?
梨花ちゃん…よかったねってどうゆう意味!?
むしろ何もよくない気がするして仕方ないんだけど!
「……私、大丈夫かな〜…」
あーも!
決まってることは仕方ないよね?
そうとなれば、気合いで教室入らなきゃ!
意を決して女子の大群をすり抜けるけど……