音楽室の君
瑛「じゃあ、宜しく御願いします。霧井さん」

蘭「あ、思い出した」

瑛「はい?」

蘭「ねぇねぇ、瑛くん、歌、好き?」

瑛「歌……ねぇ……」

蘭「私ね、合唱団の団長なの。瑛くんも、どう?」

瑛「あ、いいえ。僕はいいです。」

蘭「ぶぅ。」

霧井さんは頬を膨らませ、すねるフリ

瑛「先輩が一つ歌うなら、考えます」

蘭「わぁ、チャッカリしてるね。いいよ」


いいのか。

この人は随分気分屋だなぁ

蘭「ちゃんと聞いててよ!?」

瑛「はいはい」

ここで

適当にあしらって

聞き流すつもりだったんだ

この音楽室の少女の歌声を。
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