イケメンSPに守られることになったんですが。


「そういえば、昼間の狙撃の件ですけど──」



カウンターの向こうで、亮司さんがコーヒーを淹れながら話しかけてくる。


ああ、心地良い低音だ……。



「ちょっと確認したいことがあるんですが……」



……ゆらゆら、脳が揺れる。


気持ちいいなあ……



「中園さん?」



返事をせずに、私はふかふかのソファの誘惑に抗えず、沈没していった。


まぶたがもう開かない……。



「……もう少し、危機感を持てよ……」



お腹いっぱいになって眠ってしまった私は、敬語以外で自分に話しかける亮司さんの声を、聞き逃したのだった。


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