イケメンSPに守られることになったんですが。
──警護3日目。
テロリストの要求した期限まで、あと9日。
結局あのまま起きられなかった私が目覚めたのは、亮司さんのベッドの中だった。
もちろん私は一人で、そこに寝ていた。
起き上がって、マットレスとヘッドボードの間を確認する。
そこにはもう何も置いてなくて、ちょっと笑えた。
「おはようございまーす……」
「うっす」
「!?」
お風呂上りに着ていた楽ちん部屋着のまま、リビングに行くと……。
なんと、昨夜私が沈没したソファに座っていたのは、矢作さんだった。
前髪が短くて、デコッパチって言われてた人だ。
「あー、今高浜さん仮眠中。起こすなよ」
しっと、人差し指を口の前に立てられた。
そっか、交代時間なんだ。
「……そんな不安そうな顔するなよ。
俺だって一応訓練受けたSPだぜ?
それに高浜さんも、すぐ起きてくるし」
「……別に不安じゃありませんけど」
「ふーん。そうだな、不安じゃなくて、不満って顔だな」