イケメンSPに守られることになったんですが。
教育っていうか、個人の性格の問題だと思うんですけど。
「亮司さんが謝ることないです!」
むしろ、矢作さんに謝っていただきたい。
その矢作さんは、全然気にしていない様子で、私においうちをかける。
「でも、本当に金がないとヤバいかもな。
お前の本、もう刷っちゃったんだろ?
出版できなくなったら、賠償金払わなきゃなんねえんじゃねえの?」
「え……っ」
「表紙作ったり、印刷したりで、出版社はそれなりに金使ってるわけだろ?」
そ、そういえば、『作者の都合で出版できなくなった場合は、それまでの費用を作者が賠償しなければならない』みたいな項目が、契約書にあったような……
頭のてっぺんからつま先まで、ザーッと血が引いていく。
ヤバい……賠償なんて、無理!!!!
「うっ……」
自然と涙がちょちょぎれる。
本を出せないばかりか、賠償金払わなきゃ、なんて。
こっちがテロリストに慰謝料請求したいぐらいだ!!
「泣くなよ。
お前がよく調べもしないで適当にテロリストとか書くからだろ」
「あの話はバリバリのフィクションだもん!!
そんな事もわからないテロ集団の方が不自然でしょうよ!!」