イケメンSPに守られることになったんですが。
う、嘘おおおおおっ!!
悪者が構えていた銃が、からからと地下道を滑っていく。
「うっ……!」
悪者は手首を押さえ、私の体を離す。
どこからも血は出ていない。
ってことは、あの一瞬で銃だけを狙って撃って、成功したってこと!?
でも、ちょっと待ってよ。
めっちゃ危ないじゃん!!
ちょっとでも動いたら、私の頭に穴が開いてるところだったじゃん!!
「どけ!!」
放心していると、バリトンさんが私を突き飛ばし、悪者の元へ向かう。
私は吹っ飛ばされ、地下道の壁に思いっきりぶつかった。
うう、痛い……
と思っているうちに、バリトンはあっという間に逃げかけた悪者に追いつき、その腕を背中側にひねり、地面に押さえつけた。
「犯人確保!!応援を頼む!!」