イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんの言うとおりだ。
私を狙うテロ集団がSCSじゃなければいいとは思う。
しかしSCSじゃなければ、私が狙われる理由なんかない。
私は偉い人の娘でもなければ、他国のお姫様でもないんだから。
「とにかく、落ち着きましょう。
あと9日の間に、何かしら事態は動くはずです。
それくらいの間は働けないとして、諦めましょう」
「でも……」
「大丈夫です。あなたさえ良ければ、次の仕事が見つかるまでここにいてください」
「えっ!!」
ぴい~♪と、矢作さんが冷やかしの音色を口笛で吹く。
それって、それって……ケー小名物、『出あったばかりの人と同居』ですか!?
もしかして亮司さん、私のことを気に入っちゃったとか……
しかし私のそんな妄想を知らない亮司さんは、矢作さんの頭をぽかりと殴ってから、優しく言った。
「俺はどうせほとんど家にいないので、気にすることはありませんよ。
気になるならそこらじゅうに鍵をつければいい」
「透視できちゃうけどなっ!ひひひ」
「やーはーぎ。
お前、いい加減にしろよ?」