イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんは呆れた顔で矢作さんを叱った。
あ、ああ、そうですよねー。
市民のための警察官だもんね。野垂れ死にしそうなプー子をほっとけないだけですよね。
でももう、なんでもいいや!
「ただでいいなら俺も置いて欲しいんですけど」
「お前は給料もらってるだろうが。
ほら、もう時間だ。ご苦労だったな。持ち場に戻れ」
「うわ、ひでー」
まだ私たちをからかいたそうな矢作さんは、亮司さんに背中を押され、不満を言いながら部屋を出て行った。
「ったく……近頃の若いモンは」
亮司さんは玄関のドアを閉め、ぶつぶつ言いながら戻ってきた。
「さて、今日は……洗濯と掃除と片付けかな。
ううむ、SPと言うより主夫だな、こりゃ」
さて、どこからはじめようかと腕まくりをする亮司さん。
その腕には、やはりうっすらとした線のような傷跡が、いくつか見えた。