イケメンSPに守られることになったんですが。


屈んでその中を見ると、お風呂用の洗剤とか漂白剤とか柔軟剤とか、色々なものがごちゃごちゃしてて、洗濯用洗剤が見つからない。


どうしようかな、全部出してみるしかないか。


よ、とその中に手を伸ばしたとき、背後から声がかかった。



「中園さん、洗濯機の使い方、わかりましたか?」



その声はドアの向こうから聞こえてきた。



「それはわかるんですけどー、洗剤が見当たらなくてー……」



中を探りながら答えると、カチャ、と扉が開く音がした。



「……これじゃないんですか?」



どくん。


突然聞こえた低音に、胸が高鳴った。


だって、亮司さんが屈んで、私の後から手を伸ばすから……


私の背中が亮司さんの胸にくっついてしまっている。


まるで、後から抱きしめられるような……って!



「それ、柔軟剤です!」


「えっ?」



亮司さんが手にしていたのは、紛れもなく『おひさまの香り』の柔軟剤だった。


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