イケメンSPに守られることになったんですが。
「これ、洗剤じゃないんですか?」
「ち、違いますよ。これじゃふわふわするだけで、汚れが落ちません」
「ははあ。どうりで、おかしいと思った。
血痕や汚れがなかなかとれないから……
とっくに諦めて、今では全部クリーニングに出してしまっているんですよ」
「そ、そ、それは、良いですけど」
血痕はたとえ洗剤を使っても、それだけじゃ取れませんから。
ってか、ていうかね。
顔が、近いんですが。
背中が、あったかいんですが。
耳に息がかかるんですがー!!
「……あのう、離れてもらっても……」
すぐに心臓の限界がきた私は、素直にお願いした。
すると亮司さんは、「え、あ」と低くつぶやいて、バッとすばやく身を引いた。
「すみません!」
「い、いえいえ……」
「あーと、俺、あっちにいますので……」
何かあったら、大声で呼んでください。
もうお決まりになってしまったその台詞を残し、亮司さんはそそくさと脱衣所から出ていった。