イケメンSPに守られることになったんですが。
私は照れてしまって、前髪をいじりながら、亮司さんから少し離れた。
「いえ、新作を書きたいなと思ってて」
「ああ、小説のですか。
いいですね、前向きな考えです」
うむうむとうなずき、亮司さんはカップを口へ運ぶ。
私もお茶でもいただこうと、棚の茶筒に手を伸ばし……
「ぶっ!!」
うっかり見てしまった。
亮司さんが飲んでいたものの正体を。
お湯をもらおうと移動したポットの近くに、『プロテイン』と書かれた大きな袋があったのだ。
どれくらい大きいかっていうと、お徳用ココアの袋くらい。
「プロテインだってー!
本当に飲む人いるんですね!
筋肉芸人だけだと思ってました!」
笑いながら袋をまじまじ見ていると、亮司さんがすねたような顔をした。
「あ、バカにしましたね?心外だなあ。
普通にドラッグストアでも売ってるんですよ。体作りの基本です」
「やだー、小説のイケメンはプロテインなんか飲んじゃダメなんだもん。
普通の食事と筋トレだけで、ほどよい細マッチョじゃないと」