イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんは苦笑して、「はいはい」と言って私の頭を優しく叩いた。
「現実は、厳しいんですよ。妄想もほどほどに」
「ぶう」
だって私、妄想で生きてるんだもん。
昨日だって、元婚約者さんの残していったものを整理しながら、色々妄想しちゃった。
だって、お揃いのカバーかぶせたままの枕とか出てくるからさ。
ついつい、『おお、これで亮司さんの隣に寝たんだー』とか思ってたら、
『……亮司さんって、どんなキスしてたんだろう。
どんなエッチ、してたんだろう』
そこまで妄想がいっちゃって、頭を冷却するのが大変だった。
……それを思うと、確かに、妄想もほどほどにしなきゃいけないな。
でも二次元のイケメンで妄想するのも、同じくらいヤバイと思うんだけど。
ずず、とお茶をすすっていると、亮司さんが例の黒いジャージのまま声をかけた。
「中園さん、今日のお昼はどうしましょう?」
「……なんでもいいです」
「なんでもいいが、一番困るんですけど」
亮司さんが頭をかいた。