イケメンSPに守られることになったんですが。


昨日のお昼も夜も、新城さんや大西さんが代わる代わる運んでくれた、コンビニ弁当だった。


贅沢な食事(と私はコンビニ弁当をそう位置づけている)も最初は嬉しかったけど、だんだんその添加物の多さに胃がついていかなくなってきている。正直、お腹が重い。


自分のうちでは本当にささやかだけど、手作りのおかずと温かいお味噌汁があったもんなー……。


自分で作るからいつも同じようなものばかりだったけど。
その代わり、胃の調子は良かった気がする。



「……うーん、牛丼とか……またピザでもいいんですけど」



亮司さんが、矢作さんにもらった宅配のチラシを見ながらうなっている。


SPが何度も行ったり来たりしていると、ご近所に不審がられそうなので、なるべく宅配にするように昨夜言われたらしい。



「……私、作りましょうか?」


「え?」


「大したものはできませんけど、カレーとか肉じゃがとか、基本的なものはできますよ」



私の申し出に、亮司さんは目を丸くした。



「いやいや、マルタイに食事の用意をさせるなんて、聞いた事ありません」


「いいですよ。片付け終わっちゃって暇ですし。

一人で暇だとろくなこと考えないので、何かしていたいんです」



何より自分の胃腸が、贅沢な食事の油の量を消化しきれず、お腹に吹き出物ができて痛いので。


……それは言わないでおいた。


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