イケメンSPに守られることになったんですが。


今度はバリトンさんが、チッと舌打ちした。


……あれれ……?


最初はイケメンさんだと思ったのに。


今は、なんていうか……鋭いナイフみたいな目つきに変わってる。


怖すぎて、どっちが悪者かわからない。



「うっせえな、どっちみちてめえはブタ箱にぶちこんでやる」



バリトンさんは片手で座っていた悪者を立たせ、「歩け」と背中を押す。


そのまま地上に出て行く階段にさしかかったところで、くるりとこちらを振り返った。



「おい、中園麻耶」


「は、はいっ!」


「何してんだよ、世話かけんじゃねえ。
さっさとこっちに来い」


「…………え?」


「良いから来いっつてんだ!
ぼさっとしてんじゃねえ!
撃ち殺すぞ!」









< 13 / 438 >

この作品をシェア

pagetop