イケメンSPに守られることになったんですが。
今度はバリトンさんが、チッと舌打ちした。
……あれれ……?
最初はイケメンさんだと思ったのに。
今は、なんていうか……鋭いナイフみたいな目つきに変わってる。
怖すぎて、どっちが悪者かわからない。
「うっせえな、どっちみちてめえはブタ箱にぶちこんでやる」
バリトンさんは片手で座っていた悪者を立たせ、「歩け」と背中を押す。
そのまま地上に出て行く階段にさしかかったところで、くるりとこちらを振り返った。
「おい、中園麻耶」
「は、はいっ!」
「何してんだよ、世話かけんじゃねえ。
さっさとこっちに来い」
「…………え?」
「良いから来いっつてんだ!
ぼさっとしてんじゃねえ!
撃ち殺すぞ!」