イケメンSPに守られることになったんですが。
バリトンさんはそう言って、ずっと持っていたままの拳銃の口を私の方へ向けた。
ひいいいい、何この人!!
警察官の風上にもおけない!!
私は泣きそうになりながら、とぼとぼと歩き出した。
すると、バリトンさんは眉をひそめてますます怖い顔をする。
「日が暮れるだろうがっ!!
さっさと歩け!!むしろ走れ!!」
「は、はいいいいっ」
もう、日はとっくに暮れていますけど。
そんなことをちらっと思ったけど、もちろん口にはしなかった。
警察官と、犯人と、被害者。
何故かその3人は連れ立って、地上に止めてあった車に乗る。
バリトンさんは運転席。
何故か私は犯人と一緒に、後部座席に乗せられた。
なんでこんな怖い人の隣に座らなきゃいけないの!?
とまごまごしていたら、バリトンさんにお尻を蹴られて、無理矢理乗せられた。