イケメンSPに守られることになったんですが。
夜……。
SPルームの冷蔵庫に置いておいたおかげで無事だった食材で、簡単な夕食を作った。
結局昼はチーム全員でカツ丼を出前してもらって、食べた。
美味しかったけど、疲れた胃にはやっぱり重たかったから、今夜は筑前煮とサンマの焼いたの(吹っ飛ばされた冷凍サンマの仲間)と、お味噌汁。
うーん、可愛くない。なんで体に良い食事って、全体的に茶色いんだろうか。
それでも……。
「おいしいですね」
トマトで汚れ、先にお風呂に入った亮司さんはすごいすごいと言いながら、そんな簡単なご飯を食べてくれた。
悪い気はしなかった。むしろ、嬉しくてにやけそうだった。
片付けも終わり、寝室へ入ったはいいけど……。
「眠れるかー!」
私はノートパソコンを持って、リビングへ行こうと立ち上がる。
自分を狙う人の正体や、その目的を考えていたら眠れなくなってしまったのだ。
寝る前に考え事をするのはよくない、ろくなことにならないとわかっているのに……。
こういうときは文章を書くのが私の基本。
悩みとは関係のない文でも、何か書いていると心が落ち着く。
何も書けなくても、キーボードを見るだけでなんとなく安心する。ほとんど病気だ。
かちゃ、と寝室のドアを開けると……。
「あれ」
亮司さんが家用の黒ジャージで、ドアの横に立っていた。
もちろん、私の警護中だったからだ。