イケメンSPに守られることになったんですが。


夜……。


SPルームの冷蔵庫に置いておいたおかげで無事だった食材で、簡単な夕食を作った。


結局昼はチーム全員でカツ丼を出前してもらって、食べた。


美味しかったけど、疲れた胃にはやっぱり重たかったから、今夜は筑前煮とサンマの焼いたの(吹っ飛ばされた冷凍サンマの仲間)と、お味噌汁。


うーん、可愛くない。なんで体に良い食事って、全体的に茶色いんだろうか。


それでも……。



「おいしいですね」



トマトで汚れ、先にお風呂に入った亮司さんはすごいすごいと言いながら、そんな簡単なご飯を食べてくれた。


悪い気はしなかった。むしろ、嬉しくてにやけそうだった。


片付けも終わり、寝室へ入ったはいいけど……。



「眠れるかー!」



私はノートパソコンを持って、リビングへ行こうと立ち上がる。


自分を狙う人の正体や、その目的を考えていたら眠れなくなってしまったのだ。


寝る前に考え事をするのはよくない、ろくなことにならないとわかっているのに……。


こういうときは文章を書くのが私の基本。


悩みとは関係のない文でも、何か書いていると心が落ち着く。


何も書けなくても、キーボードを見るだけでなんとなく安心する。ほとんど病気だ。


かちゃ、と寝室のドアを開けると……。



「あれ」



亮司さんが家用の黒ジャージで、ドアの横に立っていた。


もちろん、私の警護中だったからだ。


< 152 / 438 >

この作品をシェア

pagetop