イケメンSPに守られることになったんですが。
カズヤは意外に博識だった。
私が知らないことを、たくさん知っていた。
寂しかったと言ってしまえば、それまで。
でも、私は好きになっちゃったんだ。
カズヤは仕事があるといい、いつも同じ時間に出かけていき、帰る時間はまちまちだった。帰ってこない日もあった。
でも私は奥さんじゃないし、彼はここに帰ってくる義務もないのだから。
何も聞かずに、来れば受け入れ、来なければ詮索しない。
そんな日々が続いていた。
カズヤは土日休みだった。
私は平日休み。休日が合うことがなかったせいか、ただ有休を取ってまでどこかへ行くのが面倒くさかったからか、カズヤは気まぐれで、どっちかの休みの前日に私を抱いた。
彼は私を初めて抱いた人だった。
そんな行為だけで、カズヤに愛されている気分だった私は、なんて愚かだったんだろう。
愚かで、そして子供。
でも、私は彼を信じていた。
セックスが週3くらいあったのは、最初の何ヶ月かだった。
回数はだんだん減っていった。
カズヤは仕事に行かなくなり、うちでぐうたら寝ていることが多くなっていた。
聞いてみたら、「転職先を探している」のだと言った。
そんな状態が一ヶ月続き、男女の関係は完全になくなり、ただの同居人と化したのが、彼がいなくなる少し前のこと。