イケメンSPに守られることになったんですが。
──警護5日目。
テロリストの要求した期限まで、あと7日。
のっそり起き上がった私を待っていたのは、恐ろしいほどの顔のむくみだった。
昨日、ビールを飲んだところまでは覚えている。
おつまみの唐辛子とにんにく味がきいたスナック菓子のことも。
そんで、小説が書けなくて、亮司さんに八つ当たりして……。
そこからがあやふや……。
幸いに、飲んだ量が少なかったからか、二日酔いはない。
洗面所で顔を洗っていると、亮司さんが声をかけてきた。
「おはようございます。
体の調子はいかがですか?」
「はい、普通です」
腫れていたまぶたを見られるのが嫌で、タオルで顔を隠しながら答える。
すると亮司さんは良かった、と安堵のため息をついた。
「お酒、弱かったんですね。すすめちゃってすみませんでした」
「いえ、久しぶりに飲んだら美味しかったので、気にしないでください」
味はね。その後の醜態は、もう忘れたことにしよう……。
「今日は出かける予定があるので、準備しておいてくださいね。
まだ急がなくてもけっこうですが」
「あ、そうなんですか。
でも、いったいどこへ?警視庁ですか?」
「それは……車の中でご説明します」
なんだろう。事件がらみかな?
もしかして、警視庁じゃなくて篠田さんのいる警察庁とか?
「お弁当持っていった方がいいかなぁ……」
「……いらないと思いますよ……」
朝食の準備をしながら昼食の心配をする私に、亮司さんがコーヒーを淹れながらつっこんだ。