イケメンSPに守られることになったんですが。
自分の部屋がなんの前触れもなく蹂躙されていくのを、立ち尽くして見ているしかできない。
そんな私に、亮司さんが声をかけた。
「気をつけて。ちょっと、コレをどかしますから」
「え……っ」
亮司さんは、そういうと私をスルーして三段のカラーボックスに手をかけた。
それを中身ごと少しずらすと、その下から出てきたのは、私もそんなところにあるなんて知らなかったもの。
一枚の写真と、100円ライターだった。
しかもその写真はカズヤが行為後にふざけて撮ったもので、裸のまま寄り添う、バカな自分たちが写っていた。
一応鎖骨までしか写っていないが、他人に披露したいものじゃない。
カズヤが出ていって、写真の類は全部あいつが残していった灰皿とライター……隣に落ちていたそれ……で焼いたはずだった。
もともと数は少なかったし、こんなところに紛れてしまっているとは夢にも思わなかった。
もっともその頃は、精神が荒れに荒れてて、記憶が抜けちゃっているところもあるのだけど。
慌てて写真を取ろうとした私を押しのけ、篠田さんが先に手を伸ばす。
「素手で触るな」
そう言って、ライターを新城さんに渡す。
「返して……!」
手を伸ばすが、額を手のひらで押さえられ、全然届かない。
「ほう……普通の顔だな。ほら」
「…………」
篠田さんは表情を変えずに写真を見ると、亮司さんに渡した。