イケメンSPに守られることになったんですが。
亮司さんは写真を一瞥すると、何も言わずに篠田さんにそれを返す。
「預からせてもらうぞ」
篠田さんは冷たく言うと、写真を警察手帳に挟み、スーツの内ポケットにしまった。
「指紋はとれたか」
「いくつかは」
「よし、帰って照合するか。小娘、ご苦労だったな。
また何か思い出したら、さっさと連絡しろよ」
……なによそれ。
警察は、捜査のためならなんだってしていいの?
せっかく忘れかけていたことを、ほじくりかえして。
人の傷をさらして、えぐって。
もう、私の味方なんかどこにも……。
「……ッ、ぁ……」
お願い、もうやめて。
もう、思い出させないで。
「中園さん……?」
「おい、大丈夫か?」
土足で踏み込まないで。
私は忘れていたかったの。
「……ぃき、でき、な……っ」
……見られたく、なかったのに……。