イケメンSPに守られることになったんですが。
「でも組織捜査にリョウがなじめなくて……少人数で仕事ができるSPになりました。
今のチームは特殊な人間ばかりで、皆それぞれ苦労していますから、楽です。
誰も詮索しないし、誰も過去に踏み込んでこない」
「…………」
「俺はひとりで生きていくのが、あっているみたいです」
……ひとりで……。
そんなの、寂しい。
怖くないのかな。
亮司さん……。
「あなたに俺の心情ははわからないでしょう。
俺も、あなたの苦しみを100パーセントは理解できません。
だけど、こうして寄り添うことはできますから」
「亮司さん……」
「守りますよ。どんな手を使っても」
ふわりと優しく、亮司さんは笑った。
その黒い瞳と目があって、ぎゅう、と胸がしめつけられる。
気づけば、車は亮司さんのマンションの駐車場に停まっていた。
「さあ、昼ごはんはどうしましょうか。
何か買ってくれば良かったですね」
「大丈夫です!私がおいしいもの、いっぱい作ります!」
「それは、ありがたい」
では、と私たちは車を降りた。
マルタイである私に亮司さんが寄り添い、部屋へ向かって歩く。
その間中、自分の体の中を温かくて新しい力が循環しているのを感じた。