イケメンSPに守られることになったんですが。
……リョウ……。
『ああ?』
彼女に、手を出すなよ?
『……出さねえよ。
俺だって、それくらいの分別はある』
彼女がマルタイだからか?
『……ノーコメントだ』
…………。
『お前こそ、手ぇ出すなよ?
こんな二重人格の頭がおかしいやつにハマったら、あいつはまた泥沼でもがくことになる』
お前が言うな!
誰のおかげで、俺がまだ一人だと思ってるんだ!
『俺のせいだよ。
でも、俺を産んだのはお前だ。
俺を消さないのも……お前だ』
……そうか、そうだな。
全部、俺のせいだ……。
『ああ、鬱陶しい!
お前と麻耶はよく似てるぜ!
意外とお似合いかもな!』
捨て台詞を残し、リョウは奥の奥に隠れてしまった。
はあ。
また、ため息が出た。
安全確認をするためにちらっと透視をすると、自分のベッドで、彼女の寝顔に涙が一粒こぼれていた。
ああ、腹が立つ……。
彼女はまた、あんなろくでもない男のために泣いているのだろうか。
こんな俺では、何もしてやれないのだろうか。
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