イケメンSPに守られることになったんですが。
今までの失礼発言にムッとして、言い返す。
すると亮司さんもちょっとムッとした顔をした。
「し、知っていますよ、それくらい。おっさんだからってバカにしないでください」
「……じゃあ、私がそんな代金を払える状況じゃないことも、わかりますよね?
だいたい、私は行きたくて行くんじゃないんです。
友達の頼みだから仕方なく行くんです。
エリカだって、私に人数を合わせる以上のことは望んでない。
むしろ地味でブスだから、女の子たちには歓迎してもらえますよ」
一気に言い放つと、亮司さんは一瞬ひるむ。
けど、すぐに言い返してきた。
「でも、もしかしたら運命の出会いがあるかもしれないじゃないですか」
「……乙女かっ」
「乙女じゃありません。おっさんです。
でもおっさんはあなたより長く生きているんだから、少しは言う事を聞くべきだ」
「行かないっつってんじゃん!
大きな声で言いたくないけど、お金がなーいーのっ!」
「貸してさしあげますっ、そのくらい!
彼女もいないおっさんでも、お金ならありますっ!」
……は?
「お金ならあるわよ」って……若手俳優をいじるベテラン女芸人が脳裏に浮かんだ……。
「いいですよ、いつ返せるかわからないし」
そもそも、事件が解決したら、はいさようならなんでしょ?
そんな人からお金を借りるなんて……。
「いつでもいいですから。
さあ、行きましょう」