イケメンSPに守られることになったんですが。


……いつでもいい。


それって、事件が解決した後でも、会ってくれるってこと?


そうだ。今お金を借りておけば、事件が解決した後でも会う口実ができるじゃん。


振り込んでって言われたらそれまでだけど。



「……そこまで言うなら……」



私は渋々、亮司さんの提案に従う事にした。


着替えて車に乗り込み、まず美容院へ向かう。


横の亮司さんは、変なオジサンじゃなくて、ちゃんとリョウスタイル。


その横顔が憎い。



『やっぱり、行かないでください、中園さん。
あなたを他の男に渡したくない……!』


『亮司さん……!
私、行かない……!』



……とは、ならないんだろうな……。


だって、娘の初デートについてくるオカンみたいなウキウキ具合。


残酷だなあ……私に興味がありませんって、言ってるようなものだよね。


ああ、素敵な妄想をしたあとは虚しさもひとしおだ。


やがて亮司さんが車をつけたのは、落ち着いた雰囲気の美容室だった。


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