イケメンSPに守られることになったんですが。
しかし実際の賞品は、さくらんぼじゃなかった。
その作品を書籍化……本にしてくれるという、なんともありがたい申し出があったのだ。
まさか中高生に支持を得られるとは思っていなくて、講評を見た瞬間「中高生」を「中高年」と読み間違え、
「私はきみま○路線なのか……?」
と本気で悩んだ私にとって、これはビッグバンに近い大事件だった。
ま、それは置いておいて。
「それが、なんなんですか?」
「その受賞作品、【六花の翼】の中に、テロリストが出てきますよね。
えーっと、俺もまだ読む時間がなくてよくわかってないんですが、ほら、パンクバンドみたいな名前の」
「SEX CANNONS」
「そう、それです」
高浜さんが、にこりと笑った。
その顔は、意外に可愛かった。
あ、と見とれる暇もなく、高浜さんは真剣な表情に戻ってしまう。
「その団体が実際に存在するというのを、あなたはご存知でしたか?」