イケメンSPに守られることになったんですが。
「~~~~~~!?」
今、いったい何が!?
亮司さんが、亮司さんが……っ。
私のデコに、チューしたぁぁぁぁっ!!
オーバーヒートした脳を通って、亮司さんの唇が触れた場所から、ぶしゅうと湯気が出ているような気がした。
ぱくぱくと金魚のように口を開閉しているだけの私に、少し照れた顔で、亮司さんが言う。
「おっさんの呪いです。
明日になったらそこからヒゲが生えますからね」
「やっ、やだぁ!」
「嫌がられないと、お仕置きにならないでしょう?」
さて、と亮司さんはコートを脱ぎ、傷口をハンカチで縛りだした。
片手が使えないため、口で布の片端をつまむ姿が妙に色っぽくて……。
私はおでこを押さえながら、ドキドキする胸をなんとか抑えようとする。
「あ、でも、ひとつだけほめてあげます」
「は、はいっ!?」
「……今回は、泣きませんでしたね。
エライです」
よしよしと、亮司さんは私の頭をなでた。
いつも泣いてばかりで、「死んでもいいや」なんて言ってた私。
だけど今回は、カズヤに脅されても、泣かなかった。
生きようとして、逃げた。
そうか……。
私、まだ大丈夫なんだなぁ……。
生きようっていう気力があるんだなぁ。