イケメンSPに守られることになったんですが。


『……疲れてるなら、明日一日代わってやろうか?』


そうだな……。


夜の警護だけ、変わってもらえるか。


『合コン、行かせるのか』


……ああ……。


『何か理由つけて、行かせなきゃいいじゃねえか』


……いや。


行ってもらった方がいい。


そこで同じ位の歳の人間と接したほうがいい。


警護だからといって、自宅でずっと一緒にいたりするから、俺もおかしくなるんだ。


きっと、そうに違いない。


『……そうかよ……』


……もう、眠らせてくれ。


傷口が熱い。


体が、重い……。


遠くなっていく意識の中で、最後にリョウが言う。


『忘れるなよ。お前と俺は結局は同じ人間だ。

お前が抑圧したものが、俺の行動に跳ね返るんだ。

お前が、強く強く、押さえつければ押さえつけるほど……

俺は、止まらなくなるんだからな』


……意味がわからない。


ただ、もう考えるのはやめよう。


俺はSP。人間の盾だ。


中園さんを守ることが使命であり、傷つけるなんてもってのほか。


だから……。


お前もわかってくれ、リョウ。




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