イケメンSPに守られることになったんですが。
「……なんで?」
「自分達の秘密を握っている日本人がいる。
しかもその人物は、本にしてその秘密を日本の若者に広めようとしている。
それを、その人物を殺すことによって阻止する。
その人物とは、あなたのことです、麻耶先生」
「え、ええええー!?」
「そうされたくなければ本の出版を中止し、サイト上の小説も非公開にし、
ついでに、東京の刑務所内にいる政治犯として捕まっている囚人達を、全員解放しろと言ってきています。
政府と警察が要求を飲むまで、あなたの命を継続的に狙う。
公安にそういった内容の脅迫状が届いたんです」
そんな無茶苦茶な!!
「東京にいる政治犯……その中にSCSのメンバーがいるってことか?」
「頑固で口を割らない奴もいるからな……いるんだろうけど、公安も全員の経歴を洗いなおすのに苦労してるんだろ」
若い人たちが、のんきにぼそぼそ話し合ってる。
あまりの事実に驚愕して、ぽかんと口を開けたままでいると、高浜さんが「大丈夫ですか」と、私の目の前でその大きな手のひらをひらひらと振った。
「もちろん、政府や警察がそれを許すはずはありません。
国民の命を守るのが、警察の仕事です。
あなたの周りに現れるであろうテロリストを逆に捕まえる。
その計画を、公安が練っている途中です」