イケメンSPに守られることになったんですが。
嘘だ、嘘だ、嘘だ。
夢に違いない。
そうだ、起きたら小説のネタにしてやろう。
そしたら面白いかもしれない。刑事ものじゃなくてラブものにするんだ。
だって、だって、
ずっと夢見てた書籍化が、やっと叶ったのに。
担当さんと打ち合わせをして、パートしながら睡眠時間を削って改稿作業をした。
あとはあちらで表紙をつけてもらって、その他諸々お世話になって、あとは本屋さんに並ぶだけだったのに。
これを逃したら、もうチャンスがあるかどうかわからないのに。
その証拠に、賞を取ったラブファンタジー以外は、非常にぱっとしない結果に終わっている。
今日だって、ファン様が一人減った。
「……出版、中止……」
「……言い方が悪かったですね。
公安によると、とりあえず発売延期にしてもらうということです。
出版社にはもう話をしてあるはずです」
聞いてないよ……。