イケメンSPに守られることになったんですが。


車に乗っている間にも酔いは容赦なく体中に回って、高浜家についた頃にはアルコールのせいで、変な覚醒状態に陥ってしまっていて……。



「おい、着いたぞ。歩けるか?」



助手席のドアを開け、私のシートベルトを外そうとするリョウさんの体が目前に迫る。



「あん、車の中ではイヤれす~」


「アホか!この酔っ払いが!」


「きゃはは~、だって近いんらも~ん」



完全におかしなテンションに……。


頭がふわふわする。


自分ではシャキシャキ歩けるつもりなんだけど、体がついてこなくて転ぶ。



「タチ悪ぃなテメエは!」



リョウさんはぶつぶつ言いながら私をまたまたお姫様抱っこし、部屋に運ぶ。



「おらっ、寝ろ!」



そして乱暴に寝室のドアを開けると、私をベッドに放り投げた。


ぼふっという音とともに、私の体はベッドに沈む。



「ふに~、もっと優しくしてくらさいよ~」


「うっせえ!お前、俺が行かなきゃ今頃あの変な男にヤられてたんだぞ!

ちったあ危機感のない自分を反省しろ!そして俺に感謝しろ!」


「あう……」



そうでした。


そうだった……。


いきなしキスしようとする変な人に気に入られたんだった。


ズコーンと、テンションが地に落ちる。


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