イケメンSPに守られることになったんですが。
リョウさんは、私が嫌がっているのが見えたから、助けてくれたんだ。
でも……。
もし私が普通の状態で、亮司さんとリョウさんに出会っていなかったら。
私は誘われただけで舞い上がって、あの人についていってしまったかもしれない。
ううん、多分しっかりついていっただろう。
だって、寂しいから。
自分を認めてくれるかもって、かすかな希望にすがって……。
でも、嫌がってる相手をムリヤリなんとかしようとするなんて、絶対おかしい。
誠実な人ではないに決まってる。
私は、またきっと傷ついていた。
「う……」
途端に自分のバカさ加減が胸の傷に染みて、痛みだす。
「うえっ……」
お酒のせいか、感情の起伏が激しくて、自分もついていけない。
いつの間にかベッドに横たわったまま泣いていた自分の頭に、リョウさんのため息が落ちてきた。
「お前なあ……」
「うええ、リョウさ~ん……」
「っとに……、しょうがねぇなあ……」
手を伸ばすと、リョウさんはベッドに腰かけ、それを握ってくれた。
そして私の上半身を起こし、軽く抱きしめる。
まるで、小さな子供を慰めるように。
実際リョウさんはそんな気持ちなんだろうけど、私は胸が熱くなって、余計に泣いてしまった。